岡野の化学(116)~(126)
酸と塩基の定義についてまとめてみました。
- アレニウスの定義
「酸とは水溶液中で水素イオンH+を生じる水素化合物である」とアレニウスは定義した。また、アレニウスは塩基を「ヒドロキシ基 -OHを持ち水溶液中で水酸化物イオンOH–を放出する物質」と定義した。
酸:水に溶けてH+を出すもの
塩基:水に溶けてOH–を出すもの
塩酸HClはH+を出すので酸。水酸化ナトリウムNaOHはOH–を出すので塩基。アンモニアNH3はOHを持っていないが、水と反応して水酸化アンモニウムNH4OHとなり、これが解離してOH–を出すので塩基。
酸 HCl ⇄ H+ + Cl–
塩基 NaOH ⇆ Na+ + OH–
NH3 + H2O ⇄ NH4 OH ⇄ NH4+ + OH–
- ブレンステッドの定義
「酸とはプロトンH+を相手に与えることができる物質、塩基はプロトンH+を相手から受け取ることができる物質である」とブレンステッドは定義した。
酸、塩基をH+だけで定義する。
酸:H+を出すもの
塩基:H+を受け取るもの
NH3はH+を受け取ってアンモニウムイオンNH4+になるので塩基となる。
酸 HCl ⇄ H+ + Cl–
塩基 NH3+ + H+ ⇄ NH4+
塩酸HClは解離してH+を出すので酸。Cl–はH+を受け取ってHClとなるので、塩基となる。このため、Cl–はHClの共役塩基という。同様に、HClのH+は共役酸という。
酸 H2O ⇄ H+ + OH–
塩基 H2O + H+ ⇄ H3O+
水はわずかであるが電離してH+を出すので、酸。H+を受け取ってヒドロニウムイオンH3O+になることができるので、塩基でもある。酸にも塩基にもなれる物質を両性物質という。
- ルイスの定義
酸、塩基を非共有電子対を使って定義する。
酸:非共有電子対を受け入れるもの
塩基:非共有電子対を提供するもの
この定義は配位結合の形成を前提とした定義。錯体が研究の中心になる無機化学で重要になる。
配位結合とは非共有電子対の入った軌道と電子の入っていない空軌道が重なってできる結合。共有結合と変わらないが、できる過程が共有結合とは違う。
橋元の物理(19)~(25)
静止摩擦力と動摩擦力について学習しました。
公式を機械的に当てはめて理解するのではなく、図に描いて、物体にどういう向きでどういう力が働いているのかを1つ1つ確かめながら理解するように努めました。
しかし、高校の時の一件以来、あれほど物理を毛嫌いしていたのが嘘のようです。
ある現象が物体にどう影響しているのかを1つ1つ抑えながら勉強していると、「なるほど」と思えることが多くなりました。
数式や公式も出てきますが、なぜその公式が導き出されるのかがわかると物理が面白く思えてきました。
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