私たちの免疫システムには、「自然免疫」と「獲得免疫」という二つの主要な部分があります。これを、家のセキュリティシステムに例えてみましょう。自然免疫は、家のドアの鍵や防犯カメラのようなものです。これらは、どんな侵入者にも一律に反応し、家を守る基本的な防衛線です。同様に、自然免疫も様々な病原体や異物に対してすばやく反応しますが、特定の病原体を「記憶」する能力はありません。つまり、同じ病原体が何度も侵入してきても、自然免疫はその都度同じように反応します。
一方、獲得免疫はもっと進化したシステムで、警察や探偵のように特定の犯罪者やパターンを「記憶」し、次に遭遇したときにはより迅速かつ効果的に対応します。獲得免疫は、一度出会った病原体の特徴を覚え、再びその病原体に遭遇すると、迅速に反応して攻撃します。これは、時間の経過と共に免疫応答の質が向上し、効率的になる適応性を持っています。また、一度形成された免疫記憶は長期間持続し、ワクチンの効果の基礎となっています。
獲得免疫のメカニズムには、細胞性免疫と体液性免疫の二つの側面があります。細胞性免疫はT細胞が担い、感染した自己細胞を攻撃します。体液性免疫はB細胞が担い、特定の抗原に反応して抗体を産生します。これらの細胞は連携して働き、より強力な免疫応答を生み出します。
さらに、免疫システムにはMHCと呼ばれる重要な要素があります。MHCは、体細胞の表面にある分子で、細胞内のタンパク質断片を外部に提示して免疫システムが識別できるようにします。これにより、免疫システムは体内の異常を検出し、適切に反応できます。MHCのこの機能は、リンパ球が効果的に病原体に対応するのを助け、私たちの体を守るために不可欠です。
まとめとして、私たちの免疫システムは、家を守るセキュリティシステムのように構築されています。自然免疫は、すべての侵入者に対して一律に反応する基本的な防衛線であり、獲得免疫は、一度遭遇した敵を記憶し、次に再び遭遇した際により効果的に対処する進化したシステムです。この二つのシステムは、細胞性免疫と体液性免疫という異なるアプローチを通じて連携し、私たちの体を様々な病原体から守ります。MHCの役割は、この複雑な免疫応答において中心的であり、免疫システムに重要な情報を提供して、適切な反応を引き出します。結局のところ、これらの相互作用する部分が組み合わさって、私たちの体を健康に保つための効果的な防御機構を構築しています。
関連特許明細書:
- WO2012074116A1 「アロNKT細胞を用いた免疫療法およびそのためのT細胞抗原受容体(TCR)遺伝子のα鎖領域が均一なVα-Jαに再構成されている細胞および該細胞由来NKT細胞のバンキング」
- WO2010098429A1 「免疫アジュバント組成物、及びその利用」
- WO2020040302A1 「T細胞受容体およびb細胞受容体の機能的なサブユニットペア遺伝子の解析方法」
しばらくは、今回の免疫関連の明細書に出てきた用語のいくつかをイートモで用例・用語チェックをする予定です。さらに、関連明細書の対訳チェックとメモリ・用語収集など、時間がいくらあっても全く足りないくらいです。1日があっという間に終わる感覚です。
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