特許翻訳者を目指して、レバレッジ特許翻訳講座を受講しています。
講座を受講するにあたり、ドイツ語学者だった関口存男(1894 – 1958)の「クソ勉強に就いて」を折りに触れ思い出しながら、特許翻訳の勉強を進めていきたいと思います。
ただモウとにかく机にかじりついて、遮二無二、馬車馬のように、人に笑われようが、頭の好い人たちにどう批評されようが、そんな事には一切お構いなく、めくら滅法に、とにかく勉強勉強また勉強、「あの男少し頭がどうかしてやしないか」と云われるほど勉強に凝ってしまって、友達には少々敬遠され、親兄弟にはトックの昔に見離され、学校の先生には苦笑とも微笑ともつかぬ或る種の非常に特殊な表情を以って注目され、役人とか、警官とか、新聞記者とか、犬とか、自動車とか云うような現実界の不可抗力からは、時々剣つくを喰ったり、どなられたり、尋問されたり、吠えつかれたり、突きとばされたりしながら、それでも感心に乗るべき電車にはチャンと乗って、家から学校へ、学校から家へと、マア大体無事にたどり着き、たとえば決して列車のホームを間違えたために月世界や火星まで行ってしまって、着いてからはじめて気がついた……なんて失敗はしたことがないと云う……(これが実に大変な努力なんで、あらゆる夢遊病的行住坐臥にもかかわらず、こういう些細なところにも如何に懸命の努力が払われているかという所にも注目して頂かないと、私が今から紹介しようとする或る種の特種な市民タイプは、神にも仏にも見離された上、おまけに同胞人類にまでのけ者にされる危険があるのです!)エート、文章が暴走しちゃって、どういう副文章で書き起したのか思い出せなくなっちゃったが、とにかくマア、そういう型の人間があるということを云おうとしたのです。称してクソ勉強と云います。
「クソ勉强に就いて」関口存男